あこや鍋/ Akoya hotpot
アコヤ貝柱フライ/fried Akoya
あこや貝柱の炊き込みご飯おにぎり/ Akoya Seasoned rice ball
アコヤ天ぷらとアコヤ貝柱かき揚げ/Akoya teumpra and deep fried vegetables -Akoya
あこや貝をお料理してくださった、”御食事処 なかま家” のナカジマさん。お味のセンス抜群!
大村湾、琴の海。日本全国あこや真珠が取れる地域の中、ここ琴の海周辺だけはあこや貝の身を丸ごと食べると以前からお聞きしていて、今年こそは!と松田真珠さんの浜揚げを狙いお伺いしました。
訪れた場所は松原、大村市になってますが、どちらかというと東彼杵に近い、海岸線が美しいところで、長崎街道の松原宿として存在するところです。松が海沿いに並び、風光明媚だったのでしょう。大きな道路を海側に入ると長崎街道になり、情緒のある道になります。お相撲も有名だったようです。お相撲さんのお墓も見つけました。田崎真珠創業者の田崎さんのご実家があります。松田真珠の松田さんはご実家が隣で、松田さんのお父様は田崎さんに進められ真珠の養殖を始められたそうです。田崎さんは松原の街の景観などに力を注がれたようです。今、それらは遠いお話になっているように感じます。
フィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルト| Philipp Franz Balthasar von Siebold(1796-1866)
A View of Oomura, Chiwata : 千綿、大村湾 (by 川原慶賀 江戸参府より)
A view of Chiwada :千綿付近 (by 川原慶賀 江戸参府より)
住宅地から海まで1分。かつて海だったところを埋め立ててあるようです。湖のような琴の海を眺めながら海岸線を歩くことができます。かつてシーボルトもここを通り、江戸へとむかうのですが、この松原宿ー千綿宿ー彼杵宿は唯一海が見える街道で、晴々とした気分になったと江戸参府に書かれており、川原慶賀によって描かれたその様子の絵もいくつか残っています。(上段)随分と美しいところだったのでは、、と想像ができます。また琴の海らしい逸話がその江戸参府に書かれています。
ハインリヒ・ビュルゲル|Heinrich Bürger (1804-1858)
ハインリヒ・ビュルゲル氏、彼はシーボルトと一緒に江戸へと同行した生物学者。この琴の海、大村湾で彼とシーボルトはあこや貝を食べています。その様子をシーボルトは以下のように記しています。
『藩侯の真珠採取場の一監視人はデザートに新鮮な貝の皿を出してわれわれをびっくりさせた。われわれはそれを生で食べたり焼いて食べたりしたが、 おいしいことがわかった。ビュルガー君は、 食べた時キビ粒大の真珠をかんで痛い目にあったが、真珠を得たのは幸せだった。』
シーボルトの頃はまだ野生のあこや真珠を大村藩は真珠奉行を設け管理していました。このあこや貝を丸ごと食べる習慣があった琴の海ならではの逸話であり、彼の江戸参府記から松原ー千綿あたりがいかに美しいところだったのかと想像ができます。では現在はどうでしょう?もう少し、様々な方法でこの風景、琴の海の美しさ、そしてその自然環境を向上させ生かした生活や経済というものを考えて行くことができるのでは?と感じました。
このあこや貝を美味しく食べる会に集まってくださったおじさま方。釣り仲間だそう。それぞれのバックグラウンドがユニークでとても気さくな素晴らしい方々。驚きました、これだけ素敵な方々がいらっしゃる松原、もっと面白いことができそうです。そしてこのあこや貝料理をしてくださったのが、最近オープンしたそう、”御食事処 なかま家”さん。奥のバンダナをまかれたナカジマさんがオーナーで、趣味のお料理が興じて始められたご飯どころ。失礼かもですが、お店の見かけとは大きく反して、お料理のクオリティーは最高!とても美味しい。とーてもクリエイティブ!驚きました。たまたまご来店された他のお客様にも松田さんあこや料理を振る舞い、なんとも暖かな雰囲気でした。来年はあこや貝キュイジーヌ+松原情緒ツアーを企てちゃおうかしら。ちなみに今回、最後の残りひとつのあこや貝の天ぷらを食べた松田さんのあこや貝の中に真珠が入っていたという・・・・嘘のようなほんとのお話😂
あこや真珠を目一杯纏いつつ、頬張るあこや料理。生まれて初めて。その味は、筋肉質のプリプリした美味しさ。真珠だけでなく、”全て捨てずに感謝して頂く”、とても大事なことだと思います。
いいだこ、湯かけ鯨、塩鯨、こちらも琴の海ならではの珍味でとても美味しかった。
今回、松原の奥深さに驚かされ、この40年あまりでたくさんの素晴らしいことが忘れ去られ、失われつつあるのだなとわかりました。素敵な方々、穏やかで美しい琴の海。シーボルトなどオランダとの繋がり。これらの特性を生かした街づくりなどの取り組みが松原で可能だとおもいます。若い方が少なくなってもまだまだ素晴らしいおじさまがたがいらっしゃいます。子供ー若人ーおじさまと世代が繋がり新しいものでなく、”そこにある素晴らしい宝物” に気づく旅へと出発する必要があると感じました。あこや貝、真珠この琴の海から生まれる奇跡の命を繋いで行くためにも、環境に目を向け、文化で活かし、自然環境・文化・経済が共存することが大事だと感じます。そのお手伝いができるよう、私も改めて考えてみようと感じた1日でした。
松田さんところの真珠を美しく着けていらっしゃった美山のオーナー、この個性の豊かさに松原すごいと驚きました!
お忙しい中、皆様ありがとうございました。多謝!
ChiChi